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「あれをみろ」
俺のいる部屋から見て左上の鉄格子が開く
俺と同じ様な格好のやつがさっきの上半身裸のやつに連れられて行くのがわかる
「何やってんだあれ・・・・まさか、ここから出れるんじゃ!?」
鉄格子を握っている手に力が入る
「それはわからねぇな。ただ、定期的にああやってここから俺達みたいなやつを連れて行ってるってのが今わかってる事だ」
「どこに行くのかは、わからないのか・・・・」
徐々に手の力が抜けていく
「すまねぇな。俺が知ってるのはこれしかねぇ」
「いや、教えてくれてありがとう」
俺はそのまま鉄格子にもたれかかって座り込む
「ありがとう、か・・・久しぶりに言われた気がするな」
記憶が無いのに何を根拠に言っているんだと思ったが、今は少しでも話しを続けて欲しかった
話せば心が落ち着いたからだ
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