記憶

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記憶

焦りにも似た戸惑い 乾いた喉が張り付き 虚ろな瞳は探す、探す 夢にまで見た 現実の悪夢 膝を抱えて 流れない涙で泣いた 溢れない感情に 心を裂いた 遠い昔の虚無を探した 遠い昔の虚無は笑った くすぶり続ける 虚無に問いかけた 微動だにせず ただそこに居座っていた 仕切られた世界 色と音が扉を叩く 僕は黙って目を閉じ 耳を塞いだら 記憶の中の 色褪せた色彩が 容赦なく僕を殴った 血を流しながら 僕は笑った 笑いながら 目を開けた僕は また空っぽに泣いた _
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