静止

1/1
前へ
/81ページ
次へ

静止

現実感が無い やけにリアルなのは いつも同じ感情で 張り詰めた糸が軋む 全ての情景が遠く淡く 愛しい声すらも泡になる 幻(ゆめ)の様な 現実(まぼろし)に 魅せられたい 永久(とわ)の様な瞬間が 胸を裂く 上げた口角から漏れる 絶望を望んだ 時が止まる空間が 堪らなく痛い 愛しい背中はやがて 人混みに消えた 願いが叶うなら 不快な迄に温かい掌で 施錠を幻に変えて それが出来ないのなら 夢物語だと囁いて _
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加