掛け違い

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掛け違い

私の中の本能が 絶えず不幸を歌いたがり 私の中の理性が それを縛り付ける 私の中の臆病が 傲慢さを生み出して 私の中の感情が 孤独をくくりつけた 私の中の大人は 悟り開いた表情を作り 私の中の幼さが 底知れぬ欲望を植え付ける 本当は、本当なら 言えるはずがなかった 気付かれるはずがなかった 裏返しの体温に 私が私に一番 気付きたくなんかなかった 気付いた所で私には 拭ってくれる掌も 抱いてくれる腕も 何1つ残って無いのだから _
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