aN ENcOuNtEr

2/8
前へ
/19ページ
次へ
例のリクちゃんの件が終わり、私は改めてバカンスを満喫することにした。 そして今、まさに満喫している最中で、死神界の孤島にいる。 誰もいない気持ち良い空間。南の風が気持ち良い。 風はさらさらと髪を揺らし、サングラスをかけた私の目に、やんわりと光が当た   バサッ   らない。   「キャアアア!?…って紙?」 風は髪だけでなく、紙をも揺らし、運んできたようだ。 キメラはその紙を手に取り― 「紙さえも私のバカンスを邪魔しようと言う訳!?」 ぐしゃぐしゃに丸めようとした。が、ふと目の前を見てそれをやめる。   目の前にメメがいたからだ。   「何しに来たの…?ムム様の2番弟子のメメちゃぁあああん?」   明らかにメメを見てキメラが怒り口調で話す。 「メメメメーッッ!」 「あーはいはい…」 いらいらしながらだが、メメが言ったとおりに『さっきまでぐしゃぐしゃに丸めようとしていた紙』を見る。   その紙には青年の写真、そしてたった一言。   【キメラが休暇中なのは分かっているが、私は急用があるので頼む。ムム】     「ム…ム…ムムさまぁぁ!!」 「メーメメメッ!!」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加