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例のリクちゃんの件が終わり、私は改めてバカンスを満喫することにした。
そして今、まさに満喫している最中で、死神界の孤島にいる。
誰もいない気持ち良い空間。南の風が気持ち良い。
風はさらさらと髪を揺らし、サングラスをかけた私の目に、やんわりと光が当た
バサッ
らない。
「キャアアア!?…って紙?」
風は髪だけでなく、紙をも揺らし、運んできたようだ。
キメラはその紙を手に取り―
「紙さえも私のバカンスを邪魔しようと言う訳!?」
ぐしゃぐしゃに丸めようとした。が、ふと目の前を見てそれをやめる。
目の前にメメがいたからだ。
「何しに来たの…?ムム様の2番弟子のメメちゃぁあああん?」
明らかにメメを見てキメラが怒り口調で話す。
「メメメメーッッ!」
「あーはいはい…」
いらいらしながらだが、メメが言ったとおりに『さっきまでぐしゃぐしゃに丸めようとしていた紙』を見る。
その紙には青年の写真、そしてたった一言。
【キメラが休暇中なのは分かっているが、私は急用があるので頼む。ムム】
「ム…ム…ムムさまぁぁ!!」
「メーメメメッ!!」
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