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「こんな珍しい場所…1200年ぶりだわ…こんなところに本当にいるのかしら…めんどくさーい」 文句をたれながら、ぶらりあたりを見渡す。 あたりを見渡すと言っても、建物も見渡す邪魔になる障害物さえも何も無いのだから、 自分の背より高いであろう大きな印鑑をただただ重そうに持ち、空を飛ぶのみでつまらなく。 文句をたれるのも、まぁ仕方ない。 しかしキメラは大好きなムム様のために探すのをやめない。 と、思いきや、 あきらめて地に座り込んでしまった。 荒れる風が障害物がないため、止められることなくまっすぐに吹いてきてキメラの耳に風音を聞かせる。 涼しい風音とは裏腹に、イライラがこみ上げる。 「あ゛ーー…無理無理~ッッ!!こぉんなだだっ広い場所探すなんて!! リクちゃんの両親は住んでる場所の情報が分かっていたからともかく、 あのキモい科学者は研究所って場所が分かりやすかったからともかく 家とか場所とか以前に、人っ子一人いないじゃないの!!」
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