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からからの地に寝転がり、ばたばたとだだをこねる幼女のように暴れると砂ボコリが舞い、体にかかる。
そのうちに、こんなことをやっても無駄だと分かり、落ち着いて仰向けになる。
皮肉にも水色の絵の具をベタ塗りしたような空はキメラを見下している。
土はこんなにも汚れているのに、空はあんなにもきれいだ。
空に手をかざし、自分の髪の色とにてるなぁと思いながら
「変なの…」
とキメラは小さくつぶやいた。
「何が変なの?おじょうさん?」
不意に聞こえる誰かの声。
風で声が遠くから運ばれているのか?そう思ったが広い範囲を見たのでまさかと思う。
しかし、その声はどちらかと言うと耳の近くで聞こえる感じ。
「え…――――!?」
あ り え な い 。
あたりの異変に気づきゆっくりと上半身を持ち上げようとしたが、
声の主がキメラに影を落とし、最終的には組み敷く。
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