9人が本棚に入れています
本棚に追加
青年自ら離れる瞬間に耳元で囁かれる、自分だけの秘密。
心臓を直に握られたソレに似たような恐怖心が足からふつふつ湧き、胸元まで上がってくる。
冷や汗がじわり、背をゆるく伝う。
どこから漏れた?――
「んじゃね、死神のおじょうちゃん?ちなみに黒神サマはポップンワールドに無事帰還してるから行くと良いよ」
青年はニタリと笑ってその言葉を残したかと思えば、忙しそうに砂塵とともにその場から消えた。
たった数分の出来事。
任務もキスもバカンスも、何もかもが吹き飛ぶほどの衝撃。
中級死神・キメラが取った結論は――
大きく重い死印を持ち上げて、自慢の羽で力強く空へ飛ぶ。
先ほどのように重い、めんどくさいなどとは言ってられない。
向かうはポップンワールド。
ダークマターコアに私をここまで変えてしまう力があると言ってもそれは過言ではない。
何しろダークマターコアは…………
「しばらくはバカンスともお別れ!!バカメメみたいにムム様の面汚ししたくないから!!ムム様や上の死神様にバレる前に、黒神様の中にあるダークマターコアを回収しに行かなきゃ!!」
とりあえず今は、考えていてもキリがない。決意を声に出して言い、そこにいち早く着くようにと半世紀ぶりに星に本気で願った。
最初のコメントを投稿しよう!