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「あっち…何か糞両親に用ですか?」
不機嫌めにベッドにうつ伏せになりながらすらりと『糞両親』などと少女が吐く。
「まぁね…。……なんで両親のことそんなこと言うのか…聞いてもいい?」
ものすごく気になった。
なんだかこの子、私に似てる。
姿とか…そんなのじゃなくって、心の形とか。
「あたしも聞いていい?」
顔を上げた少女が返す。私は頷いた。
「あなたは何なんですか?もしかして魔法使いさん?」
どんな質問が来るかと思えば案外メルヘンな質問で。
少し安心した。
「私は死神…キメラって言うの。さぁ貴方の答えも聞かせ「もしかして…糞両親を殺しに来たの!?」
とてつもない笑顔で寄りかかってくる少女。さらにガンスピードで話を続ける。
「私、この世界に絶望してるの!学校はヒトゴト王国だし、人間の目はみーんな腐ったドブ川みたいな色だし、両親でさえも分かってくれない…だから、死神の世界につれてって!?お願い!!」
「…………ぇ?」
私は、間抜けに口をあ開け、首を傾ける。これを『あっけにとられた』と言うんだ、なんて実感。
私の質問は解決した。どうやらろくでもない両親らしい。
「あ、んまぁ…仕事内容は言えないから…;あとアナタを死神界に連れてくことはできないわ。死んでからおいで?」
逃げるように少女が指差した部屋に行こうとすると 足を掴まれた。
「私、リク。せめて覚えといて?きっとアナタにまた会えると思うから。」
その何時間か後、リクの両親が死んだ。
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