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巻き込まれた機械ごと爆砕した矢には見向きもしないで弓を捨てる
「ーー投影開始」
具現したのは5尺もある一振りの刀
物干し竿と呼ばれ、己の腕を生涯鍛え続けた架空の剣士が愛用した規格外の長刀だ
衛宮 士郎には扱えない
だが、あの赤い弓兵が俺の魂に刻み込んだ情報と経験、戦闘知識
ーーー投影技術
それら全てを使い持ち主の筋力をも複製する
近づく敵影は3体
ただ突撃してくるだけだ
「燕返し!」
一刀で1体を縦一線に両断する
そのまま返す刀で2体目を横一線に凪払う
最後に袈裟切りに3体目を葬り去る
恐るべき部分は剣技だけでは無い
それらの斬撃を一瞬で、ほぼ同時に繰り出したからだ
握っていた物干し竿が砕ける
「やっぱり、アサシンみたいにはいかないか」
一生涯の全てを剣に費やした男とその男の業を模倣した男の違いであった
全くの同時では無く刹那の速度だがタイムラグがあった
それが偽者(フェイカー)、衛宮 士郎の今の限界だった
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