ポーカーフェイス

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ぼんっ。 って効果音がするぐらい真っ赤になった田口。 『な、なに言って…えぇっ!?』 笑うと無くなる目をすげぇ見開いてうろたえる。 耳まで真っ赤にして見たことない顔で焦ってる姿はすごく面白い。 と同時に、ひどく愛しい。 俺のたった一言で、こんなにもなってしまう田口。 あー俺って愛されてんだな。 なんつって。 「………なぁ。」 『な、なに?』 「どうなんだよ。」 『どう、…って…』 困ったような情けない顔でキョロキョロしてる。 言えよ。 口にして、ちゃんと俺に伝えて。 『………好きに決まってんじゃんかぁ。』 そう言って照れた顔を隠すようにぎゅっと抱きしめ、肩に顔を埋める。 なんっつーか…すごい、しあわせ、っての? なんて柄にもねぇこと考えてる俺。 自分で自分を気持ち悪いと認めます。 だけど今日だけは、今日ぐらい、こんな俺も良くないですか? 「……じゅんの。」 『はい。』 「顔上げろ。」 『………ヤダ。』 「上げねぇと嫌いになるぞ。」 『……………ヤダ。』 渋々顔を上げる田口。 仕方ねぇなぁー。 この俺様がしあわせを分けてやるよ。 ー ちゅっ ー 「俺も、好き。」 さぁ、次はどんな顔を見せてくれる?        END.
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