置いてかないで

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『ねぇゆうちゃん…』 「なぁに?」 『おっきくなったらね、おれの…』 おれのーー 『ーーる…かまる…』 「……ん、」 『…っ…いい加減に…しろっっ!』      ー ドゴッ ー 『ぐぇえっ!』 「ふっざけんな!お前のせいで遅刻するじゃんか!」 『う、うえだっ…朝からボディーブローは…』 「早く準備しろ。5分。下にいる。」 『……………はい。』 今日も激しい暴力で起こされる、これが毎朝の日課。 俺の名前は中丸雄一。 好きなスポーツはサッカー。 得意料理はオムライス。 只今現役高校2年生で一人暮らし中です。 『おっせぇ。8分。』 「…………すみません。」 ギロッと睨んで腕組みをしながら立ってるこのお方が、上田竜也。 好きなスポーツはボクシング。 得意料理は………あるっけ? 俺と同じく現役高校2年生。 いつも朝は俺を起こしに来てくれる。 なんで上田がそんな面倒なことしてんのかって? そりゃあ… 『お前が幼なじみじゃなきゃこんな面倒ぜってぇ見ねーし。』 「……ご、ごめんってばぁ!今日帰りなんか奢るから、な?」 『当たり前じゃん。』 そう。 俺たちは、幼稚園からの付き合いなんです。 .
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