置いてかないで

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「はよーっす。」 『おはよ。』 いつも通り殴り起こされた次の日の朝。 『中丸まだ寝てんのかよー?変顔になってんよ?』 「もとからだっつの!朝からうるせぇな赤西。」 『おはよーたっちゃん!あ、中丸も。』 「ついでかよっ!」 『ってかたっちゃんなんで昨日来なかったの!?』 「………(無視かよ)」 『ゴメンねかめちゃん!ちょっと急用入っちゃって…』 『そうなの?なら仕方ないけど…なんかあったの?』 『んーん!別に大したことじゃないよ!』 何気なく耳にした会話。 …………ん?昨日? 昨日は俺とマック、だよな? 「あ―、昨日なら上田は…」 『中丸。』 「え?」 近付いてくる上田。 その距離はどんどん縮まってくる。 「え、ちょ、な…」 そうしてコッソリ耳打ち。 『あれは俺と中丸だけの秘密、ね?』 そう囁きさっさと離れて行った。 『そういや今日の宿題さぁ―、』 何事もなかったように振る舞う君。 だけど俺にはそんなこと出来そうにない。 だってこの尋常じゃない速さの鼓動と追い付かない思考回路でいっぱいいっぱいだから。 『中丸どうした?顔赤ぇけど?』 「な、なななんでもない!」 聖に訝しげな顔されたけど、それどころじゃなかった。 .
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