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それから他愛もない話をしながらたっちゃんと寮に帰って、部屋で赤西の帰りを待つ。それが俺の毎日の流れになっていた。
だけどその日は違ったんだ。
いつもの時間になっても赤西が帰って来ない。
「…どうしたんだろ。」
練習中にケガしたとか?
もしかして帰りに事故ってたりしないよね?
考えれば考えるほど悪い事しか頭に浮かばない。
「…早く帰って来いよ─。」
そう呟いてみたけど、そんな都合良く帰って来るわけなんてなくて。
不安は募るばかり。
…とりあえずメール入れてみるか。
─カチ カチ─
"なんかあった?大丈夫?"
─ピッ─
送信しましたっと。
すると一分もたたない内に携帯が鳴る。
…あれ、電話?
「はいもしもし。」
『……かめ。』
「どうしたの?今どこ?」
『…近くの公園。』
「待ってて!すぐ行く。」
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