BITTER AND SWEET

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ここからその公園は遠くないけど、息を切らして必死で走った。 電話の様子からして、なにかあった事は分かる。 いつもの赤西じゃない。 どうしたんだろ…。 考えるだけで胸が締め付けられる。 「…っは…はぁっ…」 やっとの思いで着いた公園。 なのに赤西は見当たらない。 「…はっ…あ、赤西っ!」 公園中に自分の声が響いた。 するとすべり台の下からひょこっと出てきたそいつ。 『あ、かめ─。』 そう言ってぶんぶん手を振っている。 ……は? なにコイツ元気じゃん。 そう思ったらだんだん怒りが沸いてきた。 一発ぶん殴ってやろうか。 そう思いながら赤西に近付く。 「…おい。お前どれだけ心配したと思っ…」 そこで俺の言葉は遮られた。 だって今、俺は赤西の腕の中にいるから。 『……ごめん。』 小さな声で赤西が呟いた。 背中が小刻みに震えている。 …泣いてる? それが分かると同時になぜだか胸が苦しくなった。 あぁ。 どうして好きな人が泣くと自分も胸が苦しくなるんだろう。 次第につられて泣きそうになるのを必死にこらえた。 自分まで泣いてちゃ来た意味ねぇじゃんか。 .
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