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夕焼け空
星瞬く間でもう少し…。
部活を終えたレギュラー達はぼちぼちと片付けを行っていた。
準レギュラーの僕は少し早めに練習を切り上げ、
彼等の片づけが終わるのを待っていた。
静けさと激情の渦、
もうすぐ全国が始まるんだ…。
誰も何も言わないけど…その決意をひしひしと感じる。
僕は
あの合宿の日以来
少しだけ成長していた…。
勿論、自分の力だけじゃなく、
今まで僕を狂わしてきた愚かな感情がその先へ
連れていってくれたから…。
もう昔の感情を引きずっていたりはしない
ふと気付くと身長差のある二人が部室へと歩いていく。
亮は元気だった。
こちらに気付いて微笑んでくれたりした…。
僕も精一杯笑った。
今なら
笑えるよ…。
過去を思い出そうとして止めた。
無意味だから…
それから2、3分程たったろうか…
別に今日は亮の顔を見たかったわけじゃない…。
そう…肝心の待ち人の「彼」が見当たらないのだ
珍しく早く帰れるからと
一緒に帰るのを約束したはずなのに…。
僕はもう着替えているからすぐに気付くだろう。
…
…?
どうやら「彼」は先程から僕の近くに居たようだ。
気がつかなかったが後ろに気配があった。
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