ほたる

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「おに…いちゃん…大好き…大好き…大好きだよ…ごめんね…。」 … ほたるはそのまま動かなくなった 呼吸はとまっていた… 「うわあああああああああ!!!!」 叫んだ叫びちらした そんなこと意味が無いってわかってる でも この壊れた気持ちをどうにか外に出すには それしか俺には見当たらなかった。… さよなら 俺の ほたる 世界で一番 愛しい人。 「蛍が舞っていた 綺麗に輝いて 僕等を照らして 君の呼吸がゆっくりになる そっと僕にもたれかかる・・ ああ もう 長くは無いんだな 直感で僕はそう思った そして同時に涙が出てきた 蛍が光る 暗闇に光る 徐々に小さくなる声で 「死にたくないよ・・」って泣きながら 君の光りは蛍のように フッとすぐ消えた・・ 僕の腕に抱かれながら ホタルは消える 闇に消える 徐々に脈打たなくなる鼓動で 「このまま・・永遠に・・」って伝えながら 君の鼓動は光のように 弾けて消えた・・ 僕の胸で眠るように・・ 短い夏だった 短い人生だった でも それでも 君と居られて良かった 君と出会えてよかった 愛してるよ・・ 崩れ落ちた愛する人の体を また強く抱きしめて 涙が視界を染める 懐の中で息絶えた 僕の蛍は 綺麗な光りだけを残し 闇に飛び立った・・」 澪鳳詩集「蛍」より    【END】
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