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そして帰り道…
綺麗な蛍が舞っていた
その蛍を見てほたるが感激したのも覚えている
「ほたる?わたしと同じ名前!…凄く綺麗だね…お兄ちゃん。」
その横で母が微笑んだのも遠い記憶だ…
…
「ほらほら早く準備しないと出られなくなちゃうぞ!」
「えー!?じゃあ早くするもん!」
名残惜しいのか準備が滞っているほたるを急かすと
俺は気付かれないように溜息をついた
…
「ただいまー!!!」
元気よく玄関のドアをあけたほたるは
その声とは裏腹にゆっくりとしか歩くことが出来ない
もう体は限界だから…
「…入院してから2年も経つんだねー!何もかわってないや!」
あちこちきょろきょろとしながら
自分が生活していた頃と変わりないかを必死で探しているようだ
「どうやら本当に彼女はいないようですねー。」
今まで散々否定してきたがどうやら自分の目で確かめるまでは疑っていたようだ
じとりとした視線をこちらに投げかけてくる
「おいおい…俺のこと信じてなかったのかよ…」
頭をかきながら反論する
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