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「嘘だよ…嘘!あたし以外に興味を持ったら承知しないんだからねー!」
ぷいぷいと吐き捨てると
ほたるは仏壇の前に座った。
母の遺影がある…
「おかあさんただいま…」
それだけの言葉だった。
でも俺の心を動かすのには十分すぎた
「…もうすぐ…会えるかもしれないね…。」
そして ハッとするほたるの言葉
「お前っ!?」
「なんでもないよー…ただの独り言…どうしたの!?そんなに慌てて」
傍に行こうとした足を止めて
黙る
「いや…なんでもねぇや…。」
「でも嬉しいなぁ…やっと帰って来れたんだもん…。」
肩を落とす俺を尻目に蛍はぐるりと辺りを見回した
「今日からまた宜しくね…お兄ちゃん!」
そして俺にそう言った
…
(あぁ…たった一週間だけどな…
ごめんな…)
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(ほたるの体調は日増しに悪くなっていた
余命約一週間
明日が最後の日となる
夏祭りがその前にあったのは不幸中の幸いだ
最後にほたるに最高の思い出を残して上げられる…。)
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