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夏祭り
親戚のおばさんに浴衣を着せてもらったほたるは
病的なまでに美しかった
いや病的というより
すでに全身を病魔に支配されている状態だ…
その足や手は異常なまでに細く…白い
「どうかなぁ…似合う?」
目の前でくるくると回って見せるほたる
俺はどうしようもなくなって抱きしめた
「あっ!あっ!こらぁ!」
すぐに離そうとするが、俺の異変に気付いたのか少し考えてやめたようだ
「ヘンなおにいちゃん…どうしたの?」
…
言葉は出ない
「んもぅ…困ったさんだなぁ…よしよし…」
ほたるに頭を撫でられた
急に涙腺が緩み涙が其処まで上がってくる
でも死ぬ気で我慢する
…
「いやぁ…最近変だよなぁ俺…。」
顔を上げて笑顔を作る
もうそろそろ限界か…俺も
…
「なんか納得できない~…まぁいいけどー!今日はいっぱいおごってもらうんだからね!」
「はいはい」
…
会場までの道を二人で歩く…
辺りにはちらほら浴衣姿の人が見え始める。
ほたるは1人では真っ直ぐ歩けない
それほど体調が悪いのだ
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