ほたる

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足は止めない 希望がかかっている 「お兄ちゃんの背中…凄く広い…昔とは全然違う。」 … どうにか間に合った… 余裕があるくらいだったので椰子で林檎飴を買ってあげた。 「うまうま…美味しいよお兄ちゃん!」 こちらに差し出してくる飴をかじりながら 俺は一時の幸せを感じていた。 そして片っ端から椰子を漁るほたる 拙い足取りであちこち駆け回る 「凄いいっぱい!食べ切れないよー!」 にこにこと両手を食べ物で塞ぎながら 見たことの無いほど嬉しそうに笑う (殆ど食べられないから…半分以上食べるのは俺なんだけどな…) 「あ!そろそろ時間だぞ!」 俺は花火の時間を確認すると ほたるの手を引き 昔…三人で花火を見た場所へ歩き出した… … 椰子を抜けた先にある神社 母の見つけた穴場なので 周りに人は殆ど居ない。 「懐かしいなぁ…本当に来られるなんて…凄く嬉しいよ」 ほたるは感激して俺に抱きついた。 「そうだなぁ…俺もお前と此処に来れる日が来るとは思ってなかったよ…。」
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