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抱きついてきたほたるの頭を撫でる
その瞬間
大きな音とともに
頭上に光が放たれた
「あー!始まったぁーーー!」
ほたるは直ぐに頭上を見上げた
俺も一緒に空を見上げた
大きな音とともに無数の火花が散り
幾つもの花を描く
煌びやかな光が目に眩いほど入り込んで
思わず目を瞑った。
俺たちはその光に見とれていた…
そんな中
「…だよ…お兄ちゃん」
ほたるが何か言っている
急に俺の手を掴む力が強くなる…。
「ん?」
花火の音でよく聞こえない
直ぐ聞き返す俺
「き…だよ…お兄ちゃん!」
そして一際大きな花火が上がる直前
一瞬 周りがシンと静まり返った時
「好きだよ!お兄ちゃん!ずっと傍に居て!!!」
その瞬間
今までで一番大きな花火が破裂した
「ほたる!?」
俺は気付かぬ間に抱きしめていた
今まで言いたくてもいえなかった言葉
傍に居ながら我慢してきた言葉
それを妹の方から言われてしまった…
もう迷うことは無い
「俺も大好きだよ…世界で一番大好きだよ!」
「お兄ちゃん!!!」
二人は抱き合った
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