恩返しっ?

3/12
前へ
/49ページ
次へ
「ふふふ………私は貴方に夕方お世話になった者よ」 夕方………? オレは夕方に何をした? 「貴方が思い付かないのも無理はないわ。だってあの時私は、この姿じゃなかったもの」 ………え? 「ふふっ……まだ分からないの?私は人間じゃないのよ……」 妖艶に笑いながら、徐々に、ほんの少しずつ近づいてくる美人さん。 人間じゃない……? オレはひとつの心当たりを見いだし、口を開いた。 「あっ!……もしかしてオレが助けt「貴方に、餌を逃がされた蜘蛛よ」 そっちかぁぁぁぁぁい!!!! 「え!?蜘蛛!?恩返しに来た蝶々じゃなくて、復讐しに来た蜘蛛!?」 「そうよ……貴方が餌を逃がしたから……私は腹ペコなのよ……ふふふ」 舌を舐めずり、近寄る美女蜘蛛(?) あ、ヤバい。 喰われる……? え?なに?オレ死ぬの? 喰うなら別の意味で喰ってくれ。 具体的に言うと、性的な意味で喰ってくれ。 ビビって何もできないオレに、近づいてきた美女蜘蛛は、遂にオレの顔に触れる距離までに来ていた。 「ふふふ……いただきます……」 そして美女蜘蛛は口を開ける。 あぁ……オレ喰われるのか……… 「やめなさぁぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃぃ!!!!」 オレが覚悟した瞬間、可愛らしい高い声が聞こえ、目の前にいた美女蜘蛛が吹っ飛んだ。  
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3772人が本棚に入れています
本棚に追加