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「ふふふ………私は貴方に夕方お世話になった者よ」
夕方………?
オレは夕方に何をした?
「貴方が思い付かないのも無理はないわ。だってあの時私は、この姿じゃなかったもの」
………え?
「ふふっ……まだ分からないの?私は人間じゃないのよ……」
妖艶に笑いながら、徐々に、ほんの少しずつ近づいてくる美人さん。
人間じゃない……?
オレはひとつの心当たりを見いだし、口を開いた。
「あっ!……もしかしてオレが助けt「貴方に、餌を逃がされた蜘蛛よ」
そっちかぁぁぁぁぁい!!!!
「え!?蜘蛛!?恩返しに来た蝶々じゃなくて、復讐しに来た蜘蛛!?」
「そうよ……貴方が餌を逃がしたから……私は腹ペコなのよ……ふふふ」
舌を舐めずり、近寄る美女蜘蛛(?)
あ、ヤバい。
喰われる……?
え?なに?オレ死ぬの?
喰うなら別の意味で喰ってくれ。
具体的に言うと、性的な意味で喰ってくれ。
ビビって何もできないオレに、近づいてきた美女蜘蛛は、遂にオレの顔に触れる距離までに来ていた。
「ふふふ……いただきます……」
そして美女蜘蛛は口を開ける。
あぁ……オレ喰われるのか………
「やめなさぁぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃぃ!!!!」
オレが覚悟した瞬間、可愛らしい高い声が聞こえ、目の前にいた美女蜘蛛が吹っ飛んだ。
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