貴方と綴る物語。

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いつの時代からか 私は本と呼ばれていた。 確かに私は一冊の本だったのです。 誰かが綴り 誰もが忘れた物語。 私に刻まれた物語の作者の名前はローラン。 白い手をした少年でした。 彼は初めて逢った日。私に一つの文字を刻みました。 私はきっと一生忘れないでしょう。 彼が私に残した物語を。 そう これは(私は) 人生という名の 貴方の忘れた物語です。 彼の人生はささやかな苦難と温かな想い出の物語。 彼が私の身体に 刻み続けた物語。 いつの時代からか 私は本と呼ばれていた。
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