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もうすぐ12時
最初で最後の時間も終わる…
僕の憧れの人は
もうすぐここからいなくなる…
「しょげた顔してんじゃねぇぞコラ!」
僕はしっかり顔を上げることが出来ない
コレが最後だ
コレで最後だ
わかってる…
だけど僕は今
ただひたすらに泣いて
涙がぽろぽろこぼれて
言葉さえ出せずに居る
亜久津さんと居られるのもコレで終わりなのに…
「男ならどうするって教えたよ?」
亜久津さんの言葉は痛い
僕はとにかく弱い
「だっでもうじがんが…もう…ずごじしが…んっ…ひぐっ…」
精一杯だ
僕は声にならない声を出す
嗚咽に塗れながら
声を出す
「もう喋んな…ったく…テメェは…そんなんだから弱ぇまんまなんだよ…。」
亜久津さんは僕を抱きしめて
頭を撫でてくれた
ダメだ…
余計に涙が溢れてくる
「うぐっ…あう…うううう…」
何か言いたいのに
何か言わなきゃいけないのに
初めての二人きりなのに
「オメェがもっと強くなって、泣かなくなったら会いに来てやるよ。」
「ぼぐは…ひぐっ…ぼぐ…は…うぐっ…うっ」
言いたい…
伝えたい…
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