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『ピーピー‥‥ド‥ドド‥ドドドド』
ほっと肩の力が抜け、ベットに倒れこむように横になる。
良かった‥‥戻って来てくれた。
赤ちゃんの心拍を表す数値が徐々に回復してくる。
田村ねぇさんも小さくため息をつくのが聞こえた。
パタパタと足音が聞こえ、助産師さんがやってくる。
NSTをチェックする助産師さん。
厳しい顔つきで、
「当直の先生呼んで来ますし、何かあったらすぐナースコール押してね」
そう言うか言わないかで、すぐに慌てて病室を出て行った。
「田村さん、ごめんね。心配かけて」
「何言うとるん、そんなん気にせんの!!」
ちょっと怒った顔で、田村ねぇさんはベットの柵に置いていた手をギュッと握り締める。
規則正しく聞こえる心拍の音、またいつその音が消えてしまうのではないかと、不安と恐怖で
NSTから目が離せずにいた。
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