緊急帝王切開

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陣痛室に入ると、廊下の暗さと対照的に煌々と電気が灯っていて、思わず目を細めてしまう。 中で待っていた看護師さんが、私を見つけるとすぐに、 「阪野さん、これに着替えて。」 と緑の手術着を渡される。 「あ!下着は着けないでね」 そう言うと一旦部屋を出て行く。 袖の所から脇を通り裾まで、いくつも紐で結ばれた手術着。 こんなんなってるんや‥‥ 思いの他冷静に見つめてしまう。 下着をすべて取り、手術に着替え、ベットに腰を掛ける。 今日は誰もいないんやな そんな事を考えていると、看護師さん二人がやって来る。 横になってと言われ横になり、お腹にNSTの機械をつける。 『ドドドドド‥‥』 赤ちゃんの鼓動が聞こえる。 「阪野さん、今から術前の処置をするから、なんせ急やし赤ちゃんの為に、早く出してあげたいから、色んな事いっぺんするけどごめんね」 そう申し訳なさそうに言われた。 「いいえ、良いですよ、何でもして下さい」 そう私は答えた。
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