通りすがりの用心棒

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「お姉ちゃん達強いの?」 少女といっしょにいたガルム族の少年が興味津々に聞いてきた。 短いジーパンの上からはひょこっとふさふさした尻尾が出ている。 「お姉ちゃん強いんだよ~、いろんな所を戦いながら旅してるんだから」 愛流は少年の頭をくしゃくしゃなでながら答えた。 「そんなおっきな剣振れるの?」 少年が背中の大剣を指差して言う。 「余裕余裕」 そんな会話をしているとさっきの少女が数人のガルム族と人間を連れてきた。 「君たちかい?賞金稼ぎというのは」 人間の男が2人を見て驚く。とても強そうには見えない。 「悪いことは言わない、やめときなさい。殺されるかもしれないよ」 ガルム族の男の1人が言った。 「さっきだってオークを5匹倒したのよ」 「ボク達で何か力になれないでしょうか?」 雇って貰えるよう説得する愛流とひかる。 「オークをねぇ…ほんとかい?」 疑いの目を向ける別の男。 「仲間は1人でも多い方がいいと思います、頼んでみましょうよ」 ガルム族の少女も説得してくれた。 「うむ、そうだな頼んでみよう」 たとえ役にたたなくてもいないよりはいい。 謝礼の話もまとまり、2人は雇われることとなった。 疲弊した村だ藁にもすがりたい気持ちなのだろう。 「明日奇襲をかける、さらわれた娘たちを取り戻すんだ」
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