7人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、盗賊の根城はわかってるの?」
愛流が男に尋ねる。
「ああ、洞窟の中に住んでやがる。村の東の森の…」
具体的な場所を教える男。
一通り頭にいれる
「そう、じゃああたし達下見を兼ねて交渉に行ってくるわね」
「交渉?そんなのできるわけねえだろ」
盗賊相手に交渉などと言い出す愛流に唖然とする男。
「だめもとよだめもと、だからメインは下見。
でも無血で解決できたらラッキーでしょ?」
「生きて帰ってこれると思ってんのか?」
男が声を荒げる
少女が盗賊の元へロクな作戦もなしに交渉にゆく、そんな馬鹿げたことはない。
「大丈夫、任せといて」
愛流胸をたたいた。
「勝手にしろ、奇襲の事は死んでも悟られるなよ」
男はそう言ってどこかへ行ってしまった。
「あう…あの、すみません」
怒らせてしまったことに少し戸惑うひかる。
「本当に気をつけてくださいね」
ガルム族の少女が心配そうに見送り、2人は森へと入っていった。
最初のコメントを投稿しよう!