通りすがりの用心棒

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「で、盗賊の根城はわかってるの?」 愛流が男に尋ねる。 「ああ、洞窟の中に住んでやがる。村の東の森の…」 具体的な場所を教える男。 一通り頭にいれる 「そう、じゃああたし達下見を兼ねて交渉に行ってくるわね」 「交渉?そんなのできるわけねえだろ」 盗賊相手に交渉などと言い出す愛流に唖然とする男。 「だめもとよだめもと、だからメインは下見。 でも無血で解決できたらラッキーでしょ?」 「生きて帰ってこれると思ってんのか?」 男が声を荒げる 少女が盗賊の元へロクな作戦もなしに交渉にゆく、そんな馬鹿げたことはない。 「大丈夫、任せといて」 愛流胸をたたいた。 「勝手にしろ、奇襲の事は死んでも悟られるなよ」 男はそう言ってどこかへ行ってしまった。 「あう…あの、すみません」 怒らせてしまったことに少し戸惑うひかる。 「本当に気をつけてくださいね」 ガルム族の少女が心配そうに見送り、2人は森へと入っていった。
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