通りすがりの用心棒

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「やっぱり無茶じゃないかな愛流」 歩きながらひかるが言った。 「だからだめもとって言ったでしょ」 同じく歩きながら話す愛流。 「そうじゃなくて2人だけで敵陣に乗り込むことがさ」 街を困らせる盗賊たちだ、何人いるかもわからない。 「大丈夫だって、いざとなったら倒せなくても逃げることならできるよ。 あ、ひかる疲れてるんだっけ?街で休んでてもいいよ」 あくまでも楽天的な愛流。 「愛流ひとりで行かせられないよ、ボクも行く」 とうとう例の洞窟の付近までたどり着いた。 森の中の獣道なので視界が悪い。 木の枝をかき分けると突然目の前に巨体が現れた、オーガだ。 「おい、ここで何をしている?」 剣を抜いて突きつけるオーガ。 「盗賊の仲間かな?」 「多分ね」 お互いに目配せする2人。 ひかるは両手を挙げてなるべく低姿勢で説明する。 「盗賊の方ですよね、ボク達は話をするために街から来ました」 「話ぃ?わかった、ボスの所に連れて行ってやる、妙なマネするなよ」 余程自信があるのかあっさりと承諾した。 洞窟まで連れて行かれる2人。洞窟の近くには沢山のオーガが見回りをしていた。 オーガは茶色い鬼のような姿で、人間より一回り大きく力も強い。 これだけいるとかなり厄介だ。 2人は洞窟の奥まで案内された。結構広い。
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