通りすがりの用心棒

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突然の事態に慌てて槍を向けるもう1匹のオーク、しかし愛流は既にその外側へ回り込んでいた。 『ザシュッ』 すれ違いざまに大剣を横凪に払う。 刹那、オークの胴が真っ二つに離れた。 2匹のオークの残骸が不思議な光に包まれ消滅する。 魔力を込めて造られた大剣の力だ。 一方、3匹のオークと対峙するひかる。 ひかるは長い呪文を魔力を練りながら詠唱した。 淡く緑色に光る波動がブワッと半円状にひかるから放たれる。 波動に触れたオークはそのままバタバタと崩れ落ちて眠りについた。 「ふぅぅ~、びっくりした~」 その場に座り込むひかる。 実戦は何回やっても馴れることはない。 「大丈夫?」 愛流は大剣を軽々と片手で背中の鞘に戻すとひかるの手を引いて起こした。 「うんありがとう、起きたり仲間が来る前に急がなきゃね」 眠っているオークの脇をすり抜け2人は歩き出した。
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