高橋家

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そこで僕は妹に少し意地悪をしたくなってしまった。 僕の気持ちも考えずに男子となんか遊んだ罰だ。 未だ僕の胸に顔をすりよせている妹に声をかける。 「そうか サッカーしてきたのか。 だからひかりこんなににおいがするんだな。」 ふぇ という声がして妹が顔をあげる。                    その顔が赤く染まっている。これはサッカーで顔が火照ったから、という訳ではないだろう。 「え? ぼくそんなに汗くさい?」 泣きそうな顔で言いつつ、くんくんと自分のにおいを嗅ぎ始める。 小動物のような仕種がなんとも可愛らしい。
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