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「陛下…。」
雲ひとつない空に向かってポツリと呟く。
遠い記憶の貴方の笑顔と重なる…
「散歩にでも行きましょうか。」
もうあの人が戻ってくるはずはないのに…
晴れ渡る空を見上げると、サンサンと輝く太陽が目に痛かった…
もう二度と、私の心は晴れることはないだろう…
あの日の雨が降り続いたまま…
― 最期の碧空 ―
「キムラスカの陣営はルグニカ平野を北上。
セントビナーは既に壊滅状態にあります!!
同時にエンゲーブを占拠。
民はみな捕虜とされ、グランコクマへの到達も、もはや時間の問題かと思われます!!」
「そうか。いよいよだな…。」
そう呟くと、玉座に座る男は、ゆっくりと瞳を開いた。
サラリとなびく金色の髪の間に碧眼の色がよく映えていた。
「大至急、グランコクマに駐在する全ての師団、及び各地に配置されている全ての師団を召集しろ。」
「はっ!!」
ピオニーの命令に、兵士はザッと敬礼すると、バタバタと慌ただしく駆け出していった。
「ジェイド…無事でいてくれよ…。」
🍀
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