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5日後―…
グランコクマ宮殿前の広場に、兵士達を召集した。
真っ先にあの男の姿を探す。
「第3師団はどうした?」
ピオニーは辺りを見渡してみた。
が、やはりジェイドの姿が見当たらない…。
「はっ!!第3師団は、最前線で陣営を組んでいた為、ここへ帰還するには、早くてあと10日はかかると思われます。しかし―…」
その兵士は、そこまで言うと口を籠もらせた。
「何かあったのか…?」
「い、いえ…そういう訳では…‥。
何でもありません…。」
「………………‥。
心配するな。
必ず戻ってくる。」
「ぁ………は、はいっ!!」
そうは言ったものの、心の片隅では、最悪の事態を想定してしまう自分がいた。
あいつは必ず戻ってくる。
頭の中で、そう何度も繰り返し、自分に言い聞かせる。
バクバク拍動する心臓を隠すのが精一杯だった。
皇帝陛下がこんなんじゃあいかんな…
またあいつにからかわれちまう…。
フッと笑うと、ピオニーは顔を上げて姿勢を正した。
🍀
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