はじめに…

4/7
前へ
/100ページ
次へ
しかし、こんな説明で、キミは納得できるか? 具体的に楽器の姿、色、大きさが想像できるか? いや、何より、楽器の音色が想像できるだろうか? できやしない!! そうだろう? どんな奏法なのか。 どんな曲があるのか。 どんな人が弾いたのか。 そもそも、いつどのようにして生まれたのか。 そして、何故滅んだのか。 辞書を見ただけでは、その答えは全く導き出せない。 先生だって答えられない。 参考書や研究本を執筆している大学の偉い教授だって、『源氏物語』の研究本に、キンの詳しい説明は書いてくれていないだろう。 それでもキミは丸暗記しなければならないのだ。 「琴(こと)とは絃楽器全般を指す。いわゆるオコトは箏。琴(キン)は別物。箏は絃13本、琴は絃7本、和琴は絃6本、琵琶は絃4本。」 とね。 入試に出るかもしれないからと先生に言われて、どんな楽器なのか、その形も音色も不明なままに、ただただ絃数を丸暗記。コトとキンの違いを、イマイチ理解できないながらも丸暗記。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加