新・プロローグ

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「おかえりー」 「あぁ、ただいま」 アパートの自分の部屋に帰ると、必ずこの会話から始まる。 出迎えたのは、高校の制服を着たまま、エプロンを羽織った女の子だった。 「早く着替えてご飯にしよー」 「ん」 ネクタイを外し、スーツを脱ぐ。何故だか、恥ずかしい気持ちになる。 恥ずかしい理由はもちろん、目の前にいる女の子。 数年前までは、着替えを見られても全く気にしなかった。 まだまだ小さい女の子だと思ってはいたが、彼女はもう、年頃の女の子。やはり、そのすぐ近くで着替えるのは恥ずかしい。 「どしたの?」 「ん?いや、なんでもないよ」 当の本人は、全く気にしない。そこが唯一の救いといえば、唯一の救いだ。 そんなことを考えながら、早々に私服へと着替えを済ました。 。
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