新・プロローグ

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もう長い間、こんな日々が続いている。 いつか終わりがくるような、そんな感覚も無くはない。 楽しい時ほど、時間は早く感じる。今がその時だ。 この子がいつまで俺を好きでいるかとか考えてしまう事もある。 だが、それを前提としないと不安で仕方ない事も事実。 裏切られた時のダメージが少なからず減るからだ。 「……どうしたの?」 彼女が不安げに俺の顔を覗き込む。 「…あぁ、ちょっと考え事」 「何か会社で嫌なことでもあった?」 「別にないよ、気にしないで」 「…うん」 …失礼だよな、俺。 彼女が自分を好きになってくれているのは、今現在、事実。 楽しい時間ってのは、必ず終わりがくる。今はその時間を楽しまなきゃならない。 …今は、この限られた時間を楽しもう。 。
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