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今日もいつものようにふと耳を傾けて帰ろうとしていた。 「ねぇ君!」 そう彼に声を掛けられなければ。 「ねぇってば」 歌うのを止めて彼は再度声を掛けた 振り返り私は彼を見つめ自分を指さした。 「うん、そう」 そう言ってにこっと笑った。 ああ…笑った顔初めてみる。 いつも何かを思うように目を閉じて俯き加減に歌う彼の顔を正面から見たのは初めてだった。
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