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ひかるは音速を避けきれるはずが無く激突、そのまま後ろの壁まで吹っ飛ばされる。何とか意識を保ったひかるは全身を痛みを感じた。もう両手で数えられないほど受けてきたのに、未だに慣れないようだった。
「あ、あれ……? もしかして、起きてたの?」
あいると呼ばれた少女は申し訳なさそうに余所余所しく部屋に入ってくる。
「いや、まぁ、今起きたところ」
ひかるはドアを退かして、部屋を見渡す。白を基調とした部屋には必要最低限の家具しか置かれていない。幸い、ドア以外に壊れたところは無い。
あいるにはよく殺風景って言われている。あいるの部屋はファンシー過ぎると思うひかるだが、こうやって改めて見ると、確かに殺風景に感じる。
「それで、どうしたの? こんな朝早くに?」
ひかるは飛んできたドアを横の壁に立て掛ける。あいるはきょとんとした顔でひかるを見る。
「何言ってるの!? もう八時だよ!? 学校遅れちゃうよ!」
ひかるは驚いた。無理も無い、目覚まし時計では六時、そんなに早く時間が経つはずが無い。
ひかるは慌てて、壁の時計を見上げる。時計はしっかりと八時十分を指している。
「嘘! もう二十分しか無い! 早く着替えて用意しないと! 遅刻だー!!」
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