第二章

2/7
前へ
/38ページ
次へ
「急げー!」  ひかるとあいるは着替えを済ませると、急いで学校の教室まで走る。  二人の通うマルトス学園は、この世界だけの力、ノウの技術の向上と、正しい使い方を主体にしている高等学校である。  ノウとは、世界に生きる住人、ユーズに対抗するために身に付けた能力。  ユーズは欲求に忠実な生物。ユーズは眠気を満たすために寝るのと同じように、食欲を満たすために他の生物を襲う。人間も決して例外ではない。種類は多種多様。古代の恐竜のような巨大なもユーズがいれば、植物に擬態したユーズも存在する。  人間もただただやられているわけではない。ノウは、同じ物は二つと無い唯一無二の潜在能力。  ノウは大きく分けて、身体系と物質系に分けられる。  身体系は常人以上の肉体強化や体を炎や水に変化させる能力を主としている。しかし、現在確認されている限り、全身に作用する能力は発見されていない。全て、体の一部だけなのだ。  物質系は、炎や水を操ったり、物を浮かす能力を主としている。しかし、こちらにも制限がある。距離や時間が良くある例だ。  ノウが発動するのは勿論生まれて直ぐというわけではない。平均的に中学時代の自分の誕生日の一週間前後に意識せずに発動することが多い。遺伝などは無く、炎を使う両親から腕を水に変える子供が産まれるのも珍しくない。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加