第二章

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 次にコロニーの話である。  コロニーは人間の生活空間。周りを外壁に囲まれ、ユーズの侵入を防いでいる。唯一の入口はガッチリとした巨大な鉄の門だけである。広さはヴァチカン市国と同じくらいの大きさはある。中は、住宅地が密集した地域や作物を作る地域、ありとあらゆる物が揃っているコロニーはまるで、一つの小さな国を思わせる。  コロニーが出来る以前は、街があったことはあったのが、その殆どが大型のユーズに破壊させれているのだ。  コロニーからコロニーに移動する時は申請書を出し、それが受理されれば、移動を許される。勿論、外はユーズが我が物顔で歩いているので、余程腕に自信が無い限り、ユーズの退治を専門としている職、用心棒を雇うのが主流になっている。用心棒は永年許可証を貰っているので、いつでもコロニーを移動出来る。  マルトス学園は、中央の噴水から北東、寮や体育館を含めた総面積はコロニーの五分の一を占めている。  マルトス学園では、一年生は能力を関係無しにクラスが分けられ、二年生で能力を制御、活かすための授業が盛り込まれる。三年生になると、大学進学や就職など、進路によってさらに組み分けされる。クラスはAからEまであり、二人のクラスは二年D組。 「せ、セーフ?」  二年D組のドアを開くと、教室には誰一人もいない。二つの机だけがぽつんと置いてある。
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