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「こうやって見ると、何だか寂しいね。クラスメイトがいないって」
ひかるの後ろから入ってきたあいるが自分の席に着いて、力無く笑う。
あいるの格好は少々不思議な服装。しかし、彼女にとっては問題無い。
ブーツと大きな白い襟の付いた太股上の長袖ミニスカワンピース。ブーツとワンピースは青と黒を混ぜたような色。袖だけが薄紫。変わっている所はどれも真ん中に白の十字が刻まれていることと、背中に髪留めと同じ形の羽のアクセサリーが付いていること。
ひかるはと言うと、黒のハイソックスに運動靴。ジーンズの短パンに、白の少し大きい長袖Tシャツの上から、オレンジの生地に、五十五がマークされているバスケットのユニフォームのような服。とヘッドフォン。
「仕方無いよ、僕達はそういう者なんだから。それに僕はあいるが充分だよ」
ひかるは席に着いて、出来る限りいっぱいの笑顔をあいるに向ける。すると、あいるの表情が赤く変わる。
「もう、ひかるってば……。その笑顔は駄目だって……」
あいるはひかるから顔を背け、頬を押さえて何かぶつくさ言い始める。
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