一休宗純とアリストテレス

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突然だが、自己紹介をしよう。 初めまして。僕の名前は吉野誠治。現在24歳、ここ×××商社に勤めている一般社員・・・いわゆる所の平サラリーマンだ。 ・・・・・・以上だ。 いや、ふざけてるつもりは無い。 残念な事に、僕にはこれといって何の特徴も無い。社長に一目置かれている訳では無いし、オフィスで一番モテる男と言う訳でも無い。正真正銘、何処にでもいるサラリーマンだ。 今は、所属部署の資料整理を同僚に押し付け・・・もとい、任され、自分のデスクのパソコンに向かっている所だ。この通り、仕事内容も代わり映えしない。 ・・・・・・自分から言い出しておいて何なのだが、果たして自己紹介をする必要があったのだろうか?実はもうこれで、話のタネなど尽きてしまった。申し訳無いとは思うが、特徴の無さはいかんともし難い。学生時代からこうなもので。 そもそもこの×××商社自体が、それほど特徴のある会社とは言えないだろう。説明が面倒なので詳しい部分は省くが、普段の僕の仕事内容は資料整理に電話応対。それをほぼ毎日繰り返す。だけだ。 特に裏社会にコネがあるような会社ではない。と言うか表社会にもコネは少ない。 社長も髪が薄くて肥満体と、『世間一般的な社長像』をしている。他と比べて、特別変わっている事が無い。いかにもヤクザ的側面があります、な見た目だったらもう少し面白かったかもしれない。 高い志と夢を持った人なら、絶対に入社しないであろう会社。ポジションとしてはほとんど滑り止めの体である。 そう、×××商社は全体的に普通の会社だ。 だが、この部署には少々変わった先輩がいる。
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