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まず視界に入ったのは、高く連なる木々の群れ。後にそれより高い建物をみつけた。
少々古風な造りとなっている様で、一時時代を遡ったような感覚がした。
自分達はあそこに向かっているのだと分かったのは、目の前にいる人物がそちらへ向かって長い道のりを歩き出したからだ。
「ここが俺の家だ。」
………家?これが?
今まで本当に小さくて、冷たくて、鉄の馨りのする家しか知らなかったものだから、その言葉を疑い、不気味に思った。
「入ってくれ。今日から二週間程度、生憎部下も使用人も休みをとらせているから、俺以外誰もいなんだ。だってほら、あいつ等だって、息抜きが必要だろ?たまに旅行に出掛けたりとか…ってオイ、聞いてんのかよ?」
いきなり声色が変わった相手に驚いて、思わず後退りをする。
ごめんなさい、どうか痛い事はやめてください、と心が叫んだ。
「驚き過ぎだろ?さ、中へお入り?」
含み笑いをする相手に、長い階段の後にある一室に案内された。
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