第四章

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「……」 そっと目を開けた。いつものような暗闇と、冷たさが覆う目覚めではない。 やさしい日差しが、体中に温かさを贈り、寝床は真っ白いシーツに、フカフカしたベット。 …ここは何処だろう 上半身を起こしながら、直ぐ傍の窓のカーテンを控えめに捲った。 その光景に、感動して鼻の奥がツンとなる。一面の空。これが雲。遠く、遠くまで、地平線を描き続ける海。 美しい。 ふと視線を落とせば、恐ろしいくらい林立した、高い木々たち。 そこで、昨日記憶がいきなり蘇ってきた。 「目が覚めたか」 ドアが開く音。後にこちらに近づいて来る足音。  
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