第五章

5/9
1892人が本棚に入れています
本棚に追加
/196ページ
「…あ、そうそう。食べ物。」 柊弥は先刻持ってきた器を、もう一度持ち上げ、蒼に差し出した。 蒼は興味有り気に器の中を覗き込んだ。 「苺大福」 …いちごだいふく? 思わず頭上にクエスチョンマアク。 「自信作だ。今回の苺大福はかなり美味くできた…はず。」 …と言う事は、彼自ら作ったものか。 柊弥は不思議な物質でも見るような眼差しを向ける蒼に、そっと苺大福を差し出す。 蒼は素直に自分の手に差し出されたそれを孕ませた。 しばらく凝視した後に、ゆっくりとその一部を食んだ。  
/196ページ

最初のコメントを投稿しよう!