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「美味いか?」
「……」
「…よっしゃ。」
蒼は初めて口にした、苺大福という物質に翻弄された。
弾力のある純白の絹の様な餅の中に現れる、酷く美しい艶を持つ小豆が織り成す甘い誘惑。それをも超越し、そして更に全ての素材を際立たせる酸味に爽やかな甘みと、鮮やかな色でそれその物を煌びやかに演出する赤。
蒼は無意識のうちに自分の顔が綻んでいく事に気付いた。
…こんな美味しい食べ物、今まで一度も食べたこと無い…。
そんな蒼を見る、柊弥の顔も綻んだ。
「良かった。全部召し上がれ。」
後にこれは、蒼の大好物となるのだった。
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