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三日後、夫は明子の捜索願を出した。フライパンが、虚しく輝いていた……。
この黄金に輝くフライパンは、、明子がまだ小さい頃、明子の母親が、欲しがっていたフライパンに似ていた。しかし、当時もそのフライパンは高価だった為、遂に購入する事は無く、気付けばそのフライパンは売却済となっていた。母親の泣き顔が明子は今でも忘れられなかった。母親の財布には、200000円入っていたという…。
明子は、そのフライパンを、母親にプレゼントするつもりだった。
三年間、眠り続けている、母親に。
父親は明子が生まれた年に、莫大な借金を残して消えた。母親はずっと女手一つで明子を育て上げたのだ。しかし、無理が祟り、夫と共に結婚の報告をするはずだったその日、パッタリと倒れたのだ。
夫は、後悔していた。もしかして明子は、このフライパンを探しているのではないかと、思ったからだ。母親が倒れ、まだ悲しみが癒えていなかったであろう、あの日見ていた、このフライパンを…。
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