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「触んなよ、有紗のノロマが移るだろ!!」
「ヒドいよ、お兄ちゃぁーん…!!
有紗だって、夾みたいなお兄ちゃんいらないもんー!!」
「そうかよ、じゃあ1人で帰ってこいよ!?
もうこんなに真っ暗だけどな!!
直子おばさんのエルに噛まれて、蚊に刺されて、蜘蛛に追いかけられて、
有紗なんてゆーかいされちゃえばいいんだ!!」
「……!!待って、待ってよー!!
うぅ…だいっきらい…
夾なんて死んじゃえ…
もう絶交だもん…」
あの時はすごい泣いたなぁ。
なんかさ、ふと辺り見渡すと、もう夾兄ちゃんの背中なんて見えなくて
ガサッて物音したら
狼とかカラスとか出てくるかもって
怖いし、暗いし、兄ちゃんムカつくし
幼いながら家出してしまおうか、なんて思った。
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