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「悪い、遅くなったな、薫(かおる)」
少女、薫は金弥にしがみつきながら、
「ううん、だいじょうぶだよ。お兄ちゃん。」
薫はどこか嬉しそうだった。
「何かあったのか?」
「うんっ。あのねっ、かおるねっ、お友達ができたんだよ!」
嬉しそうに話す薫に思わず金弥も顔が緩む。
それにしても、と金弥は思う。
(それにしても、薫の新しい友達ってのは猫の事だったのか。)
そして、金弥はその猫に目を向け、
(薫と友達になれてよかったな。
ただし、その爪で薫に怪我でもさせよう物なら………お前は俺によって跡形も無く消されるだろう。)
…そんな意味を込めた視線を送ると意図を知ってか知らずか猫は逃げ出した。
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